カディーへのおもい


乾期に入った北インドに位置するデリーは朝晩ぐっと冷え込む季節になってきました。インドではこの時期はお祭りや結婚シーズンにあたります。

 

冠婚葬祭は奮発して着飾る習慣が根強く残っているインドでは、サリーを含め豪華な装飾を施し洋装にアレンジした現代版民族調ドレスなどで彩られています。一方で大量生産の洋服も増えて、温もりのある伝統的な装いは廃れつつあります。そんなインドの装いの歴史において無視できないのが、カディーといわれる手紬・手織りの布です。


私を含めカディーに魅せられる人は多いです。かのインド建国の父と呼ばれたマハトマ・ガンディーが当時インドを植民地支配していた英国製の機械織りに対抗し、自分たちでも布を織れるようにと普及に努めた布カディー(Kadhi)は今でもインドの人々に愛され続けています。

 

 

ガンディーが晩年に腰に巻いていた白い布もカディーでした。

 

インドには他の多くの国が失ってしまった古来の文化に根付いた素晴らしい手仕事の技術を持った職人さんがたくさんいらっしゃいます。気の遠くなるような手間ひまをかけて仕上げたものは本当に素晴らしく、芸術品に相当するものも少なくありません。しかし時代の波に押され、短期間で効率的に大量生産ができない上に均一に品質が保てないという理由で敬遠されているのも事実です。

 

こちらに住んで実際にコットン栽培の農家を訪れ畑に綿花の実がなり収穫される様子を見ていると、それらが糸になり生地になり‘洋服’というかたちになって日本のみなさんの手元に届くまでに実に本当に多くの人が関わっていることがわかります。

 

私にできることはインドでカタチにすることとインドと日本の皆さんをつなげるきっかけを作ること。CALICOではモノづくりを通してそれらのプロセスをもっと多くの方々に知ってもらえたらと思っています。

 

 

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