西ベンガルの村々とカディー

インドの手紡ぎ・手織りのコットン布をカディーといい、その薄い風合い、着心地の良さから、世界中で根強いファンの方がいますが、この暑さで日本のファンの方もじわじわ増えているような気もします。

 

私たちは、カディーの中でも西ベンガル州で織られている薄くて繊細な生地をとても気に入って、現地のソサエティ(村単位での生産団体)をネットワークで結び、販売・マーケティングを支援する現地パートナーと一緒に、デザイン企画・生産を行っています。


私たちも月に1回ほど西ベンガルに行きますが、村々を回るのは本当に大変です。私たちの現地パートナーは、コルカタから3時間近く電車に乗って、2時間近く車に乗って、中々あかない踏切を待って、飛び出す牛やアヒルの群れを除け、、、漸く村に辿り着きます。彼らは、そんな村々を繰り返し訪問し、オーダー内容をしっかり伝えて、再び村村からサンプルを集めて、また訪れて、冠婚葬祭やお祭りや病気や雨で、スケジュール通り進まないのが常の生産の進捗の様子をみて、製品を回収します。


ときには、織人さんの健康状態や経済状態を気遣い、オーダーを少なくしたり、多くしたり。複雑な織りが得意な織人さんがいる村や、新しいデザインにチャレンジしたがる織人さんがいる村もあります。私たちとの企画を固めたら、彼らはそのオーダーをベストな村に詫します。


彼らの頭の中には、完全に西ベンガルの機織り村の地図ができあがっているのです。そして後継者層の分布も。これは一番難しいテーマでもあります。この話はおいおいまたお伝えさせていただきます。


写真は、出来上がってきたカディー。きれいなオフホワイトとインディゴのストライプ(左側)から、土臭さが残るアイボリーとインディゴのストライプ(右側)まで。


糸を準備し、染めるのも、織るのも、集中化されておらず、村々でやっているので、同じオーダーの製品も色や柄にもばらつきがでることもしばしばです。センターをつくると、均一化でき、品質は向上するかもしれませんが、今まで村の中だからこそ家から通いながら続けられた女性たちのシゴトがなくなってしまう可能性もあります。


手織り布にまつわるシゴトは原則村の中で、というのが、「チャルカは村という太陽系における太陽だ。チャルカが回っていると、村にさまざまなシゴト(手紡ぎや整経、染め、織り、洗いなど)がもたらされる」といっていたガンジーさんの教えそのものなのです。


そんなわけで、私たちのお届けする布は、ひとつひとつ、少しずつ色や柄が違うこともありますが、そんなことからも広大インド、西ベンガルの情景を、村のシゴトを想像していただけるとうれしく思います。


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