新しい織人さん

インド全土で430万人いるといわれる織人さん。

 

世界的にみても圧倒的な数なのですが、そんなインドにおいてさえ、都会に近い村からどんどん若者が町に出てしまい、後継者が減っていくのが悩みの種です。都会にいい仕事があればいいですが、西ベンガル州はそもそも開発が遅れている上、バングラデシュからの移民も多く、労働力は供給過多の状態。都会で生きるのも簡単ではありません。


わたしたちのパートナーやソサエティ(地域の共同組合)は、織人さんの暮らしを維持し、産業を育成するために、工賃の見直しをしたり、ローンの制度を整備したり、研修プログラムを設けたり、販売・マーケティングを支援したりと様々な取り組みを行ってきています。


そんな努力の甲斐もあり、産業革命以降下降の一途を辿っていた手織物産業の規模は、なんと2004年以降少しずつ回復しています。近頃はカディーの村でも、織人のカーストではない若者が、織人さんになりたくてやってきてくることもあるそうです。

 

Sushant Kunduさんは、23歳。数年前から村に通うようになり、村で織機を借りて織る仕事をはじめました。小屋には大体ひとり、名人級の織人さんがいて、彼からいろんな技術や智恵を伝授されるそうです。

 

 

織人さんの工賃は月に大体4,000ルピーから5,000ルピー。決して高くありませんが、家族のいる村の近くで働けること、町での日雇いなどと違って将来は安心できるなどのメリットがあります。


彼は、「この仕事がスキだ。続けていきたい。」といっています。


わたしたちCALICOは、サリーをつくってきた織人さんたちと、彼らの手紡ぎ・手織りの技術を駆使してステキな製品を新しく生み出し、日本や他の国に送り届けることで村の産業が継続するように、そして、それらの商品を心から喜ぶ人々がいると伝えていくことで、その仕事に誇りをもってもらえるようにと願い活動をしています。


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