バングラデシュ ジャムダニサリーとモスリン

バングラデシュ篇 第4回目です。

そもそも、なぜ”インド布のCALICO”が、バングラデシュにいるのかと不思議に思われるかもしれません。・・・そう、CALICOは、インドという国の生地を扱うのではなく、広くインド大陸に伝わる布を扱っているんです!

 

バングラデシュは地図でみると、インド大陸の中、西ベンガルの真隣にあります。大戦中、独立運動が一番盛んだったベンガルは、インドの弱体化を狙ういろんな国・宗教的立場の意図で別れてしまったのです。元々東ベンガル、今のバングラデシュは、CALICOが足繁く通うインドの西ベンガル州と同じ風土・文化を分け合う土地でした。

 

 

西ベンガルと同じように、いえそれ以上に、手織物や手仕事布の文化は深く、特にダッカ、タンガイルといった場所は、西ベンガルの多くのジャムダニサリーが、ダカイジャムダニ(ダッカのジャムダニ)、タンガイルサリーとも呼ばれるように、ジャムダニの元々のルーツと考えられています。西ベンガルでジャムダニを織っている職人さんの多くはダッカやタンガイルにいたヒンドゥー教徒で東ベンガルがイスラムの色を強めた今から100年に移住してきたのでした。

 

今回は、LIVING BLUEの生産現場Rangpurにいく途中、運よくタンガイルに寄ることができました。西ベンガルでみるタンガイルと比べると、デザインがイスラム的でとても新鮮でステキでした。総柄も多いです。ジャムダニも西ベンガルよりもたくさんの数が流通しており、私たちがよくジャムダニと信じているものは、殆どダッカを起源とするものだと判りました。

 

 

飛び杼を使ってタンガイルサリーを織っているところです。実物をみたのは初めてです。

 

パンチカードがゆっくり繰られていきます。


 
ところで、ダッカいえばモスリン(とても上質で織りが細かいコットン布)なのですが、どこを訪ねてもなかなかモスリンは出てきません。ダッカの有名なサリー街で10軒ほど回りましたが、10軒ともモスリンというとシルクがでてきます。かつてのモスリンに代わるものは、シルクになってしまったのでしょうか。

 

かつてバングラデシュで栽培されていたモスリン綿自体が生産されておらず、かつての品質のものはもはや存在しないということのようです。(コットンヤーンはパキスタンから、シルクヤーンはインドや中国から輸入しているものが多いそうです。)

西ベンガルで流通している現代版モスリンには、300カウントや400カウントのものもありますが、以前と同じモスリン綿ではなく現在でできうる最善のものということだそう。

 

世界で最上と言われたモスリン。ダッカが世界の縫製工場となって久しいですが、土地由来の伝統布についても、今後現地の方々と一緒に取り組んでいけたらいいなと思っております。

 

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