インド的な暑さも過ぎゆき、漸くデリーも秋を迎えました。
そんな中、久々のベンガル入りです。カディ生地の生産の進捗を確認したり、新しい現地のデザイナーさんに会ったり、美味しいお店に行きあたったり、はじめて英語が通じるドライバーさんと知り合ったり!、素敵な出会いや巡りあわせに恵まれた、新鮮でよい旅となりました。
その中でもハイライトは、MAKU TEXTILE(Santanu DasとChirag Gandhi)の新しいスタジオと染織の村の訪問。
彼らがあくまでも手仕事を大事に、少量生産でこだわり抜いてつくるインディゴ染めやカディのお洋服は、シンプルで着やすいものばかり。そぎ落とすこと、こだわることを徹底している美意識は日本人はもちろんユニバーサルに通用するもので、インドでも注目を集めるデザインユニットになりつつあります。
この秋のCALICOのイベントでも一部のアイテムをご紹介し、受注販売させていただいたところ大変な人気となりました。そんな彼らの藍染の現場は、コルカタから車で3時間半ほど離れた長閑な農村の一角。この日は、秋冬コレクションに使う生地を染めることになりました。今回はベンガル語でマクリといわれる蜘蛛の巣の模様です。マルベリシルクに染めたのですが、コットンとは色の出方が違うため、この日何度もやり直すことに・・・
ところで、その昔、ベンガルのインディゴケーキ(藍片・藍玉)はヨーロッパにまで流通するほど有名だったそうです。今は苛性ソーダなどで発酵させますが、昔はデーツやライムで発酵させていたそうです。発酵に時間がかかるため、つきっきりでみていないといけなかったとか。ものすごい労力がかかっていたのですね。今の彼らも、何度も染めて、やり直して、を繰り返す、、、途方もない作業に明け暮れていますが、そのトライ&エラーすらもしっかり楽しんでいる様子。今後は敷地内を掘って池をつくり、そこでの自然発酵にも挑戦していきたいそうです。
藍の染料をグツグツ煮て、発酵させるところ。すぐに独特の香りと共に藍の花がたってきます。
染め職人も化学染料をやるひとが増えてしまいましたが、MAKUの染めを手伝うMithun Sagarのように、天然染めに回帰する人も。ウレシイことですね。
春以降のMAKUのコレクションもどうぞお楽しみください。
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